【経済カレッジ】合成の誤謬とは①

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混迷極まる中、国民ひとりひとり自立し、正しい経済知識を持ちませんと、たくさんの情報によって翻弄されてしまうような時代に入りつつあるのではないでしょうか。

難しい用語や意味が多い経済ですが、少しずつ理解していきますと、新聞やテレビで報道しておる内容がだんだん分かってきますし、「それが正しい方向なのか、そうではないのか」の判断がついてくると思います。

今回は、ミクロとマクロを理解する上で「合成の誤謬」をテーマに書いていきたいと思います。

さて、厳しい競争社会の中、効率性や生産性が求められ、個人も企業もこれを一番の課題にされておるのかと思います。
個人や企業でこれを追求することは非常に素晴らしいことではありますが、しかしながらデフレ下のもと国家機関や国の政策で効率性や生産性を追求すると実は国民はより貧しくなるのです。

合成の誤謬の例をあげながら、考えていきたいと思います。

まず「合成の誤謬」とは・・
ミクロの視点では正しいことでも、それが合成されたマクロ(集計量)の世界では、かならずしも意図しない結果が生じることを指す経済学の用語です。

簡単に申し上げますと、
何かの問題解決にあたり、一人ひとりが正しいとされる行動をとったとしても、全員が同じ行動を実行した事で想定と逆に思わぬ悪い結果を招いてしまうということです。



例えば・・
値引などは良い例です。
これまで10万円で購入していた商品を、値下げ交渉の結果、9万円に下げることに成功した場合、その交渉した人物は「1万円得をした」ことになります。
しかし一方で、値下げに応じた会社は「1万円損した」ことになります。
ですから国家全体のGDPは1万円減ったことになるのです。
これを生産者や流通、小売りでそれぞれ値引きの連鎖で安くすると国家全体の利益は減り、国民の所得も減ってしまいます。
この例では、個人個人では、得した気分でも国家全体の経済は縮小してしまいました。

次に生産に関してです。
一人ひとりは、「豊作」=収穫量が多い→収穫量に応じて収入が増えることをめざします。
しかしその結果として、全体で「豊作」では=給過剰→単価が安くなる→収入は大きくならない、場合によっては減るということで、全体で努力して生産性を上げたのに、この場合も国民が貧しくなってしまいました。

まだまだ他にも例はございますが、このように一人一人が合理的に効率よく活動しても、マクロでみた場合、国民が貧しくなってしまうことがあるのです。

これが「合成の誤謬」です。

続きは次回・・




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